通関士試験の難易度

1.通関士試験の合格率

ここ5年間の通関士試験の平均合格率は10.5%。
受験者の間ではその難化傾向が声高に叫ばれ、難問の出題に比例して合格率が下がるという考え方が潮流となりつつあるようです。
合格率のパーセンテージが10%台の試験ですから、確かに通関士試験は難易度の高い試験であると言えるでしょう。
(合格率の推移については最下部参照)
しかしこの数字に臆して受験を躊躇していたのでは何も始まりません。
元々合格率は総受験者数に対する合格者数の比率を表しただけのもの。
難問が出題されたところで合格する人は合格するわけで、「きっちりと勉強をした人だけが合格する」という事実は今も昔も不変です。
合格率を過剰に意識することなく、自分が「きっちりと勉強した側の人間」に入れるかどうかに重点を置く。
こういった捉え方で学習に臨むことも、試験攻略の有効な手段となるのではないでしょうか。

2.通関士試験の合格基準

試験は「通関業法」、「関税法・関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法」、「通関書類の作成要領その他通関手続きの実務」の3科目から構成され、合格基準は「各科目満点の60%以上の得点」とされています。
(出題形式については最下部参照)
まず注意すべき点は、3科目全てについて60%以上得点する必要があるということ。
1つの科目で満点を取っても、他に60%未満の得点の科目があると不合格になってしまいます。
1時限目の通関業法で60%未満の得点だと、あとの科目は採点すらしてもらえないのです。
次に注意すべき点は、60%の得点が合格点ではないということ。
受験者の方の中にはこれを合格点と考える方が相当数いらっしゃるようですが、これが正しいなら税関は「60%の得点で合格」とはっきり公表しているはずです。
これを公表せず「合格基準」という言い回しを使用している以上は、おそらくはその年の問題の難易度などを考慮して合格点を調整していることが考えられます。
実際にそれを窺わせる事例が過去に2回ほどありました。
合格基準の引き下げが行われたのです。

19年度第41回の通関書類の作成~の科目の第4~13問に関してはその満点の50%以上
23年度第45回の通関書類の作成~の科目に関しては満点の50%以上

おそらく60%の合格基準では合格者があまりにも少なかったのでしょう。
これらについては一部のボーダーラインを下げることにより、合格点の調整を行ったと見るのが妥当です。

合格基準の引き下げの場合は、合格基準と合格点がほぼ等しいことを予想することができます。
しかし合格基準の引き上げが発表されることはありませんので、引き下げ以外の年度の合格点を容易に予想することはできません。
「60%以上が基準」とされているだけですので、60%が合格点になる年もあれば、65%、70%、75%等が合格点になる年もあるものと考えられます。
一方、60%の得点を目標にするような学習内容では、実際に本試験で60%得点することなどまず間違いなくできません。
いずれにせよ、60%を超える得点率を目標に定める必要があるのです。

鬼通関の私見では、75~80%のところを考慮すれば学習にも熱が入ると思いますし、これに近い得点率を達成できるなら合格はほぼ間違いなしと言い切って良いものと考えます。
ちなみに近年の通関士試験では完全筆記式という出題形式がなく(法律の条文を丸々暗記して解答用紙に書くということはない。)、全ての問題がマークシート方式になっていますので、満点を取る事も決して不可能な事ではありません。

<直近5年の通関士試験の合格率>

年度 願書提出者 受験者 受験率 合格者 合格率
H22年(第44回) 12,087 9,490 78.5% 929 9.8%
H23年(第45回) 11,760 9,131 77.6% 901 9.9%
H24年(第46回) 11,544 8,972 77.7% 769 8.6%
H25年(第47回) 11,340 8,734 77.0% 1,021 11.7%
H26年(第48回) 10,138 7,692 75.9% 1,013 13.2%
56,869 44,019 77.4% 4,633 10.5%



<通関士試験の出題形式と配点>

1.通関業法
(選択式) 第1~5問 1問につき5つの( )の穴埋め問題。
( )ごとに1点。
25点
第6~10問 1問に5つの文章が記載されており、
正しいもの全てをマーク。全て正解して1点。
5点
(択一式) 第11~20問 1問につき5つの文章、正解を1つマーク。
正解がない場合0をマーク。各1点。
10点
制限時間 50分 計40点
2.関税法・関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び
外国貿易法
(選択式) 第1~5問 1問につき5つの( )の穴埋め問題。
( )ごとに1点。
25点
第6~15問 1問に5つの文章が記載されており、
正しいもの全てをマーク。全て正解して1点。
10点
(択一式) 第16~30問 1問につき5つの文章、正解を1つマーク。
正解がない場合0をマーク。各1点。
15点
制限時間 1時間40分 計50点
3.通関書類の作成要領その他通関手続きの実務
(選択式) 第1問 輸出申告穴埋め5個。各1点。 5点
第2問 輸入申告穴埋め10個。各1点。 10点
第3~7問 1問に5つの文章が記載されており、
正しいもの全てをマーク。全て正解して1点。
5点
(計算式) 第8~12問 関税額・課税価格の計算。各1点。 5点
(択一式) 第13~17問 1問につき5つの文章、正解を1つマーク。
正解がない場合0をマーク。各1点。
5点
制限時間 1時間30分 計30点

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